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交通編 ・ ●食事編

Dobry den !(ドブリィ デン!)こんにちは、チェコ大好き女子のKuminka です。
 第2回目は、食べ物についてお話していこうと思います。前回申しました通りクミンカは食いしん坊ですので、食べ物の話になると語り尽くせないほど語りたい事が沢山あります。ですからここは、「お料理編」「パン・お菓子編」と、この2種に分けてお話していこうかと思いますが、ひょっとしたら番外編なんかも出てくるかもしれません。それと、チェコといえば忘れてはならないのが、ビールですね。クミンカはお酒が強そうな外見をしているくせに全く飲めません。それどころか、アルコール・アレルギーという残念な体質です。ビールの味は好きなのでノンアルコールビールは時々飲むのですが… そういうわけで、私はビールについて全くと言ってよほど無知なので、ビールについてお話する時はどなたか呑んべえさんにバトンタッチするかもしれません。
 さてさて、チェコのお料理ですね。何が美味しいの? どんな食べ物があるの? よく友人からこんな質問をされますが、その質問に対して大体いつも言うのが、「肉料理が多い」です。チェコは海に面していない国です。海の魚が全く流通していないわけではありませんが、近隣の国から輸入するにしても、やはり鮮度が落ちるし、コストもかかるせいか、少し高級なお店やホテル、シーフード専門店などでなければ、まともな海のお魚料理は扱っていません。チェコで一般的に食べるお魚というと、マスや鯉などの川魚です。そうなるとやはり肉料理が主体になってきます。私の中でチェコ3大肉料理というのが、こちらのお三方です。



 ヴェプショクネドロゼロ… なんだか舌を噛んでしまいそうな名前のこのお料理は、セットでこういう名称です。 日本で例えるなら生姜焼き定食といったところでしょうか。ローストポークにザワークラウト(キャベツの酢漬け)クネドリィキ(茹でるタイプのパン)、この三つでワンセットです。ローストポークなので割とあっさりしていて、日本人の口にも合うと思います。次に、スヴィーチュコヴァーですが、こちらは牛肉のクリーム煮込み…と言うか、クリームソースのお料理です。濃厚な
 生クリームのソースが中高年の弱った胃袋には堪える可能性もありますが、牛肉だけでなく、ベジタリアン仕様のキノコのスヴィーチュコヴァーなどもありました。ややこってり目ですが、味にクセは無くクリーミィ(?)で、とっても美味しいですよ。
 そして3つ目、グラーシュです。グラーシュはシチューの様な煮込み料理です。こちらもビーフシチューのようでほとんどクセは無く、食べやすいお味。煮込まれているのでお肉が柔らかくて、ヨーロッパ特有のスパイスがほんのり効いています。
 ん? ちょっと待って、なんか…3つとも、白い団子の様な、パンの様な、妙なものが添えられているけどそれは何? ― って思いました? 良いところに気が付きましたね。そう、ヴェプショクネドロゼロの説明でちょこっと触れましたが、こちらはチェコ人にとって主食とも言えるポピュラーなパン、クネドリィキです。クネドリィキは一般的な焼き上げるパンと違い、第二発酵の後にぐらぐらと煮立ったお湯で茹でるパンです。食感や味は中華まんの皮に似ています。お店やご家庭によってはジャガイモを練りこんだモッチリとしたものがあったりハーブを入れたり、それぞれの個性が出ていて面白いですが、私は何も入っていないプレーンでフワフワなタイプが一番好きです。



 肉料理で胃がちょっともたれてきたかな…いえいえ、そんな弱気ではいけません。お次は、揚げ物! フライ料理です。
 ①の写真は『スマジェニージーゼク』と言って、薄く伸ばした豚肉を揚げたトンカツです。オーストリアやドイツでおなじみのウインナ・シュニッツェルのように叩いて薄く伸ばした豚肉のカツレツは、ヨーロッパではとても広く食べられているポピュラーな揚げ物料理です。カリッ、サクッとした衣が香ばしく、はじめはサイズ感にビックリしますが、伸ばされていて薄っぺらいので、食べてみると意外にぺろりと平らげてしまいます。チェコを訪れたらまず、このカツレツを食べることをお勧めします。



 ②の写真は『スマジェネーシャンピオニ』と言って、 マッシュルームフライです。たかがマッシュルームフライと侮るなかれ、揚げ粉にチーズが混ざっているのかな? 外はカリカリ、中はジューシー! タルタルソースをたっぷりと付けて頂きます。お肉のフライに負けないくらい存在感があり、絶品の一品です。これにはグルメなクミンカ・ママも「うーん!美味しい!」と唸っていたほどです。メニューでたいがいこのマッシュルームフライと並んで書かれている“チーズフライ”もありますが、こちらは中身がチーズの塊なのでややコッテリ目で、ビールのアテといった感じです。食事としてはしつこい味ですが、ビールのお供にはよく合うのではないでしょうか。
 そして③の写真は『スマジェニーロソス』と言って、 鱒のフライです。鱒!? 日本だと、鱒寿司くらいしか、クミンカは知りません。鱒を食べる機会なんて、そうそう無いやん? とチャレンジしてみましたが、拍子抜けするくらい普通に美味しくて、よく脂ののった鮭のフライと言ったようなお味でした。魚のフライと言えば、チェコはクリスマスに鯉のフライを食べる習慣があるそうです。こちらについては、クリスマス編でお話しようと思います。
 実はクミンカ、食用油にはうるさいんです。私がお料理に使っているオイルは、オリーブオイルとグレープシードオイル、ごま油、この3種だけです。プラスティックボトル入りのサラダ油はお店で陳列されているうちにもう酸化が始まっている気がして、ガラス瓶で売られている上質なオイルしか口にしません。でないと、胃もたれしてしまいます。 ですから、外食をして胃もたれすると、「あ、このお店は悪い油を使っているな」なんてすぐに分かってしまうのです。
 そんな油にうるさいクミンカが、チェコで揚げ物を3日連続で食べても胃もたれしないということは、チェコでは良質な油が使われているのか、この国の人たちがみんなよほどの揚げ物名人だという事です。たぶんお菓子編で紹介すると思いますが、チェコには“コブリハ”というドーナッツがあり、カフェやホテルの朝食で何度か食べましたが、一度も脂っこさを感じませんでした。ふんわりとやわらかで口溶けが良く、ドーナッツ食後のあの特有の脂っぽい後口もありませんでした。確かに油で揚げているはずなのに、全く以て不思議です。日本でもし、3日連続でトンカツ、串カツ、 コロッケ、おやつにはドーナッツを、なんて調子で食べたら…。考えただけで胃がムカムカしてきそうです。
 そして、クミンカがどうしても紹介したかったチェコの食べ物がありまして、④の写真のコレなんですが…。ウトペネツ(utopenec)と言いまして、ソーセージの酢漬けです。この言葉の意味が衝撃的で、初めて聞いた時は食べるのを躊躇しました。なんと『水死体』という意味なんです(笑) いや、(笑)ではなくて(怖)ですね、ほんと…。
 チェコ人はブラックユーモアが好きなので、ガラス瓶の中でナーレフ(お酢で作るマリネ液) に漬かって白っぽくふやけたソーセージの見た目から、こんな怖ろしくもユーモラスな名称を付けたのでしょう。名前は怖いけど、これがなかなか美味しいんです。ソーセージなのにさっぱりと爽やかな味で、(ビールを飲めないクミンカが言うのも何ですが…)暑い夏にビールをキュッとやりながら一緒に食べればハマること請け合いです。

 チェコの冬は長く、とても寒いです。1月・2月の真冬ですと、平均気温がマイナス2度ほどに下がります。クミンカは3月上旬にチェコへ行ったことがありますが、朝の気温がなんとマイナス11度で、南ボヘミアの町に行くと一面白銀の世界、という経験もありました。そんな寒い国だからこそなのでしょうか、チェコは煮込み料理やスープの種類が充実しています。日本人にとってスープはあくまで脇役で、メインのお料理の添え物的な存在です。ですが、チェコではスープは主役。 ①の写真では、クミンカのマンジェル(夫という意味です)がニンニクスープを飲んでいます。チェコのスープは具沢山で、このニンニクスープのようなシンプルなスープでもチーズや大きなクルトンが沢山入っていて、【飲む】と言うよりは【食べる】と言った方が適切かもしれません。旅の疲れを癒し、身体を温めて元気を与えてくれるこのニンニクスープ、マンジェルはすっかり気に入りまして、チェコに行く度にレストランで注文したり、お湯を注ぐだけのインスタントのタイプをスーパーで沢山買って帰ります。 クミンカは写真②の、マジョラムなどのハーブが香る優しい味わいのポテトスープがお気に入りです。 写真③はホテルのルームサービスで頼んだ【ボヘミアンスープ】です。「野菜のスープが食べたいんです。」と言うと、「キノコが沢山入ったボヘミアの美味しいスープがありますよ」とこれを勧められました。確かにキノコたっぷりでクリーミィ?!ポーチドエッグが乗っていて、絶品でした。
写真④は①と同じレストラン【3人の農夫】で食べたブランボラークというお料理です。『ブランボリ』がチェコ語でジャガイモの事なので、その名の通り、摺り下ろしたジャガイモと小麦粉が主な材料で、ニンニクが効いていたりベーコンやハム、チーズなどが入っていたり、お店やご家庭によってレシピは多種多様です。付け合わせにホースラディッシュが付いてくる事が多いようです。見た目も食べた感じも、なんとなく大阪のお好み焼きに少し似ている気がしました。

 チェコ料理を毎日めいいっぱい楽しんで、旅も終盤に入る頃、ちょっと胃が疲れてきたかな? お野菜が食べたいな… そんな時、クミンカはいつもこのお店【カントリーライフ】へやって来ます。
 ここは、プラハの旧市街広場のすぐ近くにあるベジタリアン・デリです。トレイにお皿を乗せて食べたいお料理を食べたい分だけ盛ってレジでトレイごと量りに乗せ、重さの分だけ料金を支払います。お水はレジ横のサーバーから無料で飲めますし、ここは全てセルフサービスなのでチップも不要。とにかく楽で、観光客もほとんど見かけたことがありませんので、静かにゆっくりと食事を楽しむ事ができるお気に入りのお店です。ただ、閉店時間が曜日によっては5時半だったり6時だったり、早く閉まる日もあるので、早めの晩御飯向きのお店です。
 写真①はクミンカが旅行中に書いた絵日記から。マーボー豆腐があったのでビックリしました。お豆腐がやや固めで、しっかりした食感。どれも美味しそうでいつも迷ってしまうし、ついつい多く取ってしまいます。胃を休めるために来たのに、かえって食べ過ぎて苦しくなってしまった事も(笑)
写真②は【カントリーライフ】の店内です。夕方に訪れるとこんな風に空いている日が多いですが、ランチタイムは混雑することもあるようです。チェコのお野菜は一部を除いてほとんどが近隣の国の輸入野菜なのだそうですが、決して鮮度が悪いということはありません。むしろ、クミンカがレストランやホテルのの朝食で食べた野菜はどれも新鮮で 美味しかったです。キュウリは日本のものより大きくて大味かな?と思いきや、味がしっかりと濃くてシャキシャキでとても美味しかったし、あるレストランではサラダに生の白菜が使われていました。チェコでは、海のお魚は気軽に食べられないけど、お肉や乳製品、お野菜はとても美味しい国です。また別の機会にパンやお菓子のお話もさせて頂きますが、こちらもかなり美味しいもの揃いですよ!
乞うご期待!\(^o^) /